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平成28年度卒業研究紹介「公共交通機関データGTFSフィードの作成およびshape計測Androidアプリケーションの開発」
発表者:西山 准矢(情報科学科)/指導教員:稲永 健太郎 准教授
近年コミュニティバスの導入が増加する一方、コミュニティバスによる収支率は全国的に低く、財政的負担が課題となっている。課題の解決の一つにコミュニティバス利用者の利便性の向上が挙げられる。
本研究では福岡県糟屋郡新宮町のコミュニティバス「マリンクス」を事例として、コミュニティバスの利便性向上を目指したGTFS(General Transit Feed Specification)によるGoogle Maps経路案内への掲載及び、GTFSフィードを容易に作成するshape計測アプリケーションの開発を行った。GTFSとは公共交通機関の路線、バス停、時刻表、などの情報に使用される共通形式である。
マリンクスの各種情報をGTFS形式に変換し、フィードとしてGoogleに提供したことにより、2016年11月18日にGoogle Maps経路案内にマリンクスのバス情報が掲載された。GTFSフィードによるGoogle Maps経路案内へのコミュニティバス情報の掲載は、全国で4例目、西日本では初の事例である。このことにより、マリンクスが運行されていることを知らない地域外の人々、特に外国人観光客にもマリンクスが認識され、既存のマリンクス利用者の利便性の向上につながると考える。
また、GTFSフィードをより容易に作成することを目指した、shape計測アプリケーションの開発を行った。このアプリケーションは計測開始ボタンを押すことで路線の細かな位置情報を10秒おきに取得し、バス停ボタンを押すことでバス停の位置情報を取得するものである。実験として、福岡県糟屋郡須恵町のコミュニティバスの路線図情報及びバス停の位置情報を取得できた。しかし、曲がり角やカーブにおいてはボタンを押すことでその地点の位置情報を取得するという方法のため、路線情報を正確に取得できていない箇所が見受けられた。今後の課題として、磁気センサーを用いて方角を取得し、角やカーブの自動情報取得を行う必要があると考える。
本研究で開発したshape計測アプリケーション及び、原田氏が開発を行ったGTFSフィード作成補助Excel VBAツールを使用することで、容易にGTFSフィードの作成が行えるようになった。今後GTFSにおけるGoogle Maps経路案内への掲載によるコミュニティバスの利便性の向上が期待される。
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(2017/02/02 掲載。記載内容は執筆当時のものです)